青森空港 ステンドグラス『青の森 へ』
原画・監修:森本千絵 2021年(サイズ:縦2.4m × 横5.9m × 2面 自然光)



青森空港のリニューアルに際し、旅客ターミナルビル1階 国内線チケットロビーに設置された『青の森へ』は、同県三沢市出身のアートディレクター・森本千絵氏が、空からの来客を「青の光でお迎えしたい」という思いを込め原画・監修を担当。ねぶた祭や跳人、こけし、奥入瀬渓流など同県が誇る風物詩や観光資源が、約3200ピース、85色ものガラスで情緒豊かに表現されています。
青森空港ビルの総務部長・田辺孝志氏は、「空港ビルのリニューアルのコンセプトは“森のターミナル”。青森の自然や文化が共存する、広がりや物語性を持った魅力的な場を目指したので、まさにそれを体現している作品だと思います」。また、ステンドグラスの向かいでチケットカウンター業務に従事する日本航空の西村葉月氏は、「写真撮影をされる方や、足を止めて見入る方、待ち合わせの方もよく見かけます。コロナ禍で空港内の雰囲気が暗かった時、光を灯したのがこのステンドグラスでした。一青森県民としても、空港職員としても誇らしく思います」。
同作品は、青森県庁が主催する観光情報サイト「AMAZING AOMORI」や、県内の美術館5館が連携して国内外にアートを発信するプロジェクト「AOMORI GOKAN」など、さまざまなwebサイトやSNSで紹介され、地域集客にも一役買っているよう。実物を見た人からは、「光を受けてキラキラ輝き、うっとりするほど美しい」「青森空港を利用するすべての人に見ていただきたい」などの声が寄せられています。
広島高速交通 アストラムライン 本通駅 ステンドグラス『夕凪の街 桜の国』
原画・監修:こうの史代 2020年 (サイズ:縦2.8m × 横7.0m LED)



広島出身の漫画家・こうの史代氏の代表作『夕凪の街 桜の国』のワンシーンをモチーフに制作された本作品は、原爆投下から10年後の広島市が舞台。本通駅の西改札を出た階段手前の壁に設置され、駅利用者の目を楽しませています。同駅を運営する広島高速交通総務課の金行修一氏と高岡里子氏は、「地下通路ということもあり、以前は暗い場所だったのが、パッと明るくなりました」(金行氏)、「平和の尊さを伝えるこの作品が、原爆ドームや平和祈念館の最寄り駅である本通駅に設置されているのは、意義深いことだと思います」(高岡氏)と、作品設置の価値を語ります。
撮影してSNSに写真を上げる人も多く、「明るくきれいな作品に心が癒されました。ステンドグラスというところもいい」「大きくて、美しくて、温かい作品。こうの史代さん、ありがとう!」などの声が。本通駅に付加価値が生まれ、利用者に喜ばれるようになったことで、職員たちのモチベーションアップにも寄与しているそうです。
埼玉高速鉄道 埼玉スタジアム線 浦和美園駅 ステンドグラス『キャプテン翼~世界にはばたけ~』
原画・監修:高橋陽一 2018年設置(サイズ:縦1.6m × 横20m 自然光)



浦和美園駅はサッカーの聖地・埼玉スタジアムの最寄り駅。東京オリンピック開催を見据え、国内外から訪れるサッカーファンへのおもてなしの意味を込めて設置されたのが、世界的人気を誇るサッカー漫画『キャプテン翼』をモチーフとした本作品です。改札口を出ると、同漫画に登場する99人のキャラクターが各国のユニフォーム姿でお出迎え。横幅20mに及ぶ大画面は躍動感と活気にあふれ、駅構内の雰囲気が一変したと埼玉高速鉄道 営業推進部の江原正規氏は語ります。
「ぐんと明るく賑やかな印象になりました。作品に刻まれた作者の高橋陽一先生のサインを撮影する方や、自分の推しのキャラクターと一緒に記念撮影する方が多く、特に海外からお越しの方は大抵写真を撮られます。X(旧twitter)では往年の翼ファンの方だけでなく、外国の方のコメントもたくさん見受けられました」。
同僚の大川美樹氏は「遠くからも目を引きますし、駅の外からも見えるので、待ち合わせスポットとしてはもちろん、構内のポップアップショップが『翼の前で〇〇売ってます』とXにポストするなど、販促ツールとして活用されることも。それだけこのステンドグラスが多くの人にシェアされているのだと思います」
また、さいたま市の協力のもと、東京オリンピック時には『キャプテン翼』のフラッグやパネルで駅周辺が一斉に装飾されたり、県内各地のアニメ聖地を巡るラリーイベントではスポットに選定されたりと、“駅のパブリックアート”の枠を超え、まちおこしにもさまざまな波及効果をもたらしています。