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パブリックアート講演・出張講座
〜愛知県芸術大学での特別講義〜

当工房は全国の美術大学でパブリックアートの特別講義をもっています。
2026年6月、愛知県立芸術大学での特別講義では、当工房と親会社のNKBから4人が講師として参加し、美術学部の陶芸表現コースの学生約25人が聴講しました。

愛知県芸術大学での特別講義 パブリックアート説明風景

まず工房長の西川恵氏から、個人で製作するアートと異なり、パブリックアートは原画作家、工房職人、設置する空間所有者、取り付け業者、資金提供団体など多様な主体がかかわることを説明し、「アートを音楽のソロだとすると、パブリックアートは交響楽団です」と述べました。


愛知県芸術大学での特別講義 陶板レリーフ「Procession Spin」製作説明風景
『Procession Spin』の製作工程の説明をする谷本氏

講義では、当工房が2025年12月に銀座駅の地下街に設置した陶板レリーフ「Procession Spin」(大友克洋氏の原画・監修)の製作を詳しく説明しました。
造形担当の谷本二郎氏は、粘土の中の空気を抜くため、床に粘土を叩きつけるたたら打ちから始まり、造形のモデルとなる小型模型の製作、それを基に床に広げた粘土に造形を施していく過程を、映像を使いながら説明。また大型陶板作品用の粘土と器用の粘土の違いを知ってもらうため、工房で使っている粘土のサンプルを学生たちに触ってもらいました。
原画は二次元なので、それに解釈を加えて三次元的な造形にしていくことを工房では「翻訳」と呼んでいること、また設置する作品が目の高さなのか、見上げるのかで、造形も変わることも指摘しました。「見上げる場合は作品の上部に膨らみを持たせます。ダビデ像が身体と比べて頭部が大きく作られているのと同じ原理です」と谷本氏。
当工房の大型作品は窯で二度焼成するので10%縮みます。「最初からそれを計算して作らないと、設置場所に合わないということが起きます」。説明に学生が頷きます。

次に釉薬担当の鈴村敦夫氏が施釉について話しました。同じ釉薬でも薄く塗るのと、厚く塗るのでは焼成後の色は変わります。また窯の中央部か端で焼くかでも色味は変わってきます。「同じ色でも、マットか、ざらついた感じなのかで作品の印象は大きく変わります。色が出たからいいでは済まないのです」。満足できず施釉をやり直すこともあったと明かしました。
大友さんから「縄文土器の部分は時代を経たような色にしてください」との注文も入りました。鈴村さんは考えた末、畑の土を使った釉薬を作り、古びた感じを出しました。


講義の最後は、当工房の親会社NKBの執行役員である寺田裕史氏が、①パブリックアートにかかわっている多様な主体をまとめる調整機能の大切さ、②アートをビジネスに結び付けることの重要さ、について話しました。
後者については、パブリックアート製作にはそれなりの資金が必要です。財団などから支援を仰いだり、多くの企業から広く薄く協賛金を集めたりしなければなりません。この場合、大切なのがパブリックアートを設置する意義を支援者にきちんと説明できることです。「芸術でお金のことを話すのはタブーという見方がありますが、アートをどうビジネスに繋げていくかの視点は、芸術の振興の上でも大事です」と寺田氏。

講義後、講師陣は白河宗利学長とも懇談しました。講義の手ごたえですが、「工房で働きたいのです」とアプローチしてくる学生もいて、新鮮な刺激を与えたと自負しています。

当工房では高度な専門知識を持った職人による出張講座、講演も行います。ご興味ある方はお問い合わせください。
お問い合わせはこちらから

愛知県芸術大学での特別講義 工房見学風景
講義の後に愛知県立芸術大学の実習窯を見学
愛知県芸術大学での特別講義 工房風景
 
愛知県芸術大学での特別講義に参加した講師たちと関係者記念撮影
講義を終えて記念撮影 (左から長井副学長、鈴村氏、谷本氏、寺田氏、西川氏、白河学長、佐藤教授)

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