風月延年

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京成電鉄 京成上野駅に設置された陶板レリーフ作品「風月延年」全景

原画・監修

壁画家

ルイス・ニシザワ

NISHIZAWA Luis

1981

縦 3.0m × 横8.0m

京成電鉄 京成上野駅 正面口コンコース

作家コメント

――設置場所としての京成上野駅をどのようにお考えですか?
ルイス・ニシザワ  上野駅の周辺には、美術館や博物館、文化会館などの施設、さらに動物園や公園があり子供や若い人が多いですね。そういう人たちが利用する駅という意味ではたいへん興味があります。

――本作品の題材として、子供の生命力といったものがとりあげられていますが、どんな意図をお持ちですか?
ルイス・ニシザワ  子供の世界を描きたいという考えは、ひとつのテーマとして最初からありました。メキシコでは、壁画は伝統的に民衆を育てる一手段と見なされています。中世ヨーロッパにおいて、ステンドグラスや壁画が文盲に対して見ながら教える役割を果たしていました。エジプトでも同じです。壁画は本来社会的役割をもっていて、中国、ペルシャ、イラン、エジプト、マヤ・アステカ時代の人びとは、そのような意味から建物の中に壁画を必ず採用したのです。建物の意味や人生観を教えるためもあったわけで、そうでなければ、単に装飾的な絵でしかないことになります。

――「風月延年」は、どのように解釈すればいいのでしょうか?
ルイス・ニシザワ  ことばそのものは世阿弥からとっています。鯉のぼりは、子供の日の象徴ですが、同時に困難に対していさぎよく力づよく戦うことを意味していますね。その鯉から子供が出てきて、風車を動かすのです。このようなことを何年も何年も繰りかえすわけです。風車は、もうひとつアトミカ(原子力)を象徴し、将来のエネルギーを暗示しています。

――鯉の口から子供が出ていることに驚く人も多いでしょうね。
ルイス・ニシザワ  ショックを受けることは見る人が足を止めることで、ある意味では意図的なことです。なぜ?という疑問が起き、創造力が働きます。創造力は人間を新たにしますから……。

陶板レリーフ「風月延年」部分

作品近景(部分)

陶板レリーフ「風月延年」部分

作品近景(部分)

制作コメント

本作品の制作のために来日したルイス・ニシザワ氏は日本各地を意欲的に巡り、伝統文化や地方の風習に強い関心を示し、とりわけ鮮やかな色彩の鯉のぼりと風車は彼の創造力を強く刺激しました。背景の素材には日本の伝統的な瓦を用い、鯉のぼりの本体には登窯で焼成された陶板レリーフを使用しています。

企画 : 日本交通文化協会、京成電鉄株式会社

作家プロフィール

ルイス・ニシザワ

ルイス・ニシザワ

NISHIZAWA Luis

壁画家

1918年、メキシコ サカテカス州生まれ。1955年メキシコ国立芸術大学教授となる。シケイロス、タマヨと並ぶメキシコの国際的壁画家。「風月延年」で日本における壁画を制作。2014年永眠。

場所 : 京成電鉄 京成上野駅 正面口コンコース

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